受け取った立退き料【不動産・税金相談室】

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Q 住んでいたアパートの取壊しに伴い、大家さんより立退き料と引越し費用を受け取りましたが、これらは税金の対象となるのでしょうか。

A 前号では、立退き料や取壊し費用を支払った場合における税金の取扱いについて紹介致しましたが、「立退き料等を受け取った場合」においても税金の問題が生じますので、注意が必要です。

家屋の立退きに際して受け取る立退き料や引越し費用等については、その立退き料の種類・性質に応じて次のとおり税金が課されます。

(1)借家権消滅の対価として受領する立退き料 → 譲渡所得

(2)事業等の廃止による収益補償金 → 事業所得等

(3)上記1または2に該当しない立退き料 → 一時所得

(4)引越し費用等の実費負担分 → 対象外

ご質問では、住んでおられたアパートの取壊しに伴う立退き料および引っ越し費用を受領されたということですので、借家権消滅の対価である(1)と、引越し費用の負担分である(4)が該当するものと考えられます。

また、引越し費用として受領した金額のうち、実費負担分を超える部分については(3)に該当することとなるため、一時所得が生じる可能性も考慮すべきです。

したがって、ご質問のようにアパート取壊しによる立退き料と引っ越し費用を受領したケースでは、「譲渡所得」と「一時所得」にご留意いただく必要があるでしょう。

ところで、立退き料の受領による譲渡所得は、不動産・株式等を譲渡した場合の「分離課税」ではなく、給与や事業等による所得と同様に「総合課税」の対象として取扱われています。

譲渡所得というと、どうしても不動産や株式を売買した時における「分離課税」のイメージがありますが、立退き料受領による譲渡所得については、給与や事業等の所得と「合算」して、計算することとなるわけです。

なお、立退き料の対象となった借家が居住目的であったとしても、その譲渡所得の計算において、居住用財産の特別控除(3,00万円控除)や軽減税率の特例対象とはなりませんから、併せてご留意下さい。

《担当:樋口》