居住用不動産の譲渡税率について【不動産・税金相談室】

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House, Money

Q この度、自宅の売却を考えているのですが、居住用の3,000万円控除をしても譲渡益が残ってしまう場合は、それに対して何%の税金がかかってしまうのでしょうか?

A 7月5日号以来、私高橋が担当させて頂いている回では、「ご自宅を譲渡した場合に適用される所得税の特例」についてお話しさせて頂いております。

今回のご質問は、税率についてということですので、税率全般のお話とあわせて、「居住用財産を譲渡した場合の軽減税率」についてもお話しさせていただこうと思います。

まずは、予備知識として、所得税の基本からおさらいしていきましょう。

所得税には、譲渡所得の他にも、事業所得、不動産所得、給与所得など、全部で10種類の所得があり、基本的にはこれらの所得を合算し、税額を計算します。

これを総合課税といいます。

しかし、今回の譲渡所得など、一定の所得の場合には他の所得とは別に、単独で計算することがあります。

これを分離課税といいます。

さらにこの分離課税の譲渡所得は、その財産の所有期間(譲渡した年の1月1日時点での)によって、次のように分類されます。

短期譲渡所得 ⇒ 所有期間5年以下
長期譲渡所得 ⇒ 所有期間5年超

さて、ここからが本題です。

この、短期と長期の譲渡所得には、それぞれ別々の税率が定められています。

短期 ⇒ 所得税30%+復興税0.63%+住民税9%=39.63%
長期 ⇒ 所得税15%+復興税0.315%+住民税5%=20.315%

※ 復興税…平成25年1月1日~平成49年12月31日までの間、東日本大震災の復興財源に充てるため、所得税率の2.1%が課税されます。

従いまして、今回のご質問者様への回答としましては…

売却年の1月1日時点で、所有期間が5年以下 ⇒ 39.63%
売却年の1月1日時点で、所有期間が5年超  ⇒ 20.315%

ということになります。

所有期間が、5年以下かどうかで、税率が倍近くも違ってくるんですね!
皆様も、ぜひ覚えておいていただき、売却のタイミングにはご注意頂ければと思います。

以上が、税率についての概要ですが、ここからは、自宅を売却した場合の特例として、題名にもある、「軽減税率」についてのお話をしていこうと思います。

この特例は、簡単に申し上げますと…

『売却年の1月1日時点での所有期間が10年超の居住用財産を譲渡した場合には、譲渡所得6,000万円までの部分には、さらに低い税率で課税する。』

というものです。

どのぐらい税率が軽減されるかといいますと、

所得税10%+復興税0.21%+住民税4%=14.21%

となります。
  
通常の長期譲渡所得の税率が、20.315%でしたので、6.105%の軽減です。

ということは、仮に、6,000万円満額使えた場合は、3,663,000円の節税効果ということです。
  
他にも…

一定の親族内の売買でないこと
他の一定の特例を受けていないこと
前年、前々年に軽減税率の適用を受けていないこと

など、細かい要件がありますので、ご自宅を売却される際は、必ず専門家に相談し、適用漏れのないようにしたいですね。

以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

《担当:高橋》