多くの借金を残して亡くなってしまった場合【不動産・税金相談室】

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Q 父は、アパートや駐車場を所有していたのですが、その財産価値以上に多くの借金を残して、亡くなってしまいました。
私たち相続人は、これをどう相続したら良いのか、放棄をした方が良いのか悩んでいます。限定承認という方法もあると聞いていますが、限定承認について教えていただけますか?
 

A 財産以上の債務を抱えて亡くなってしまった場合には、相続の仕方については、主として2つの方法があります。

1つには相続の放棄をする、ということです。
これは一切の相続財産、プラスもマイナスも含めて相続しない、ということです。

これは亡くなったことを知った日から、3カ月以内に、家庭裁判所に申出をしなければなりません。
この期間内に放棄をするかどうか、決められない場合は、この期間内に裁判所に申し出ることによって、期間を延長することもできます。

もう1つの方法が、ご質問の限定承認です。
これは、プラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を相続する、という方法です。したがってマイナスは引き継がず、トントンで相続する、ということですね。

この限定承認をするには、相続人全員が同意して行なう必要があります。
1人でも反対者がいると、限定承認をすることができません。

この申し出も3カ月以内となっており、相続の放棄と同様に、延長することも可能です。

なお、限定承認をする場合は、税務上特に注意することがあります。
それは、限定承認にかかる財産は、譲渡とみなされる、ということです。

えっ? と思われるかも知れませんが、なくなられたお父様から、相続人へ、その財産(アパートや駐車場など)が時価で譲渡されたという扱いになるのです。これを「みなし譲渡」といいます。(所得税法59条)

お父様の譲渡所得については、相続開始後4カ月以内に準確定申告という手続きをして申告をしなければなりません。
その申告は、相続人が行なうことになります。

含み益があれば、譲渡所得税がかかってきます。もちろん、それを払う義務があるのも、相続人です。その譲渡所得税もお父様の債務、ということになります。

ただし、限定承認をしていますから、財産の額を上回る債務になっている場合には、それは切捨てられますから、実損はないと思いますね。

いずれにせよ、限定承認をする時は、税理士などの税の専門家も入れてよく検討してから行った方がいいですね。

《担当:北岡》