登記の錯誤と税金の取扱い【不動産・税金相談室】

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Q マイホーム建築のため分譲地の一画(A土地)を取得し、その登記については不動産会社と提携している司法書士に一任しました。

ところが、同時期に分譲地を取得した甲氏(隣地のB土地取得)と誤って登記されてしまい、B土地が私名義に、A土地が甲氏名義になってしまったことから、錯誤による登記のやり直しが必要となりました。

このような場合であっても、贈与税は生じてしまうのでしょうか。

A ご質問のケースでは、本来の所有者に戻すために所有権の移転があったとしても、登記の誤りが明らかであること、登記後すぐに誤りに気付いて訂正されていることから、贈与税は生じないものと考えられます。

また、不動産の取得時に発生する不動産取得税についても、登記の誤りにより「書類上」取得したこととなった場合には課税が生じないものとして取り扱われます。

もちろん、本来取得すべき土地については、その土地にかかる不動産取得税が生じることとなります。

ただし、固定資産税に関しては注意が必要です。

固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して課税されることとなりますが、
仮に1月1日時点で所有者が誤った状態であれば、その時点における登記上の所有者に納税義務があると考えられます。

したがって、この場合にはそれぞれの固定資産税の負担について、本来の所有者であるご相談者と甲氏、あるいは誤って登記してしまった司法書士等との話し合いによって解決して頂くことになるでしょう。

ご質問のような誤登記が起こるケースはほとんどありませんが、実務では何度か目にしたことがあります。
(贈与税等の取扱いについてはケースに応じて個別に検討が必要です)

中には、30年来居住している土地が実は隣地の居住者名義であり、逆に隣地の所有者がご相談者の名義になっている事例もありました。

土地の面積や状況も似ており、毎年送られてくる固定資産税の通知書を見ても気付かないまま時間が経過してしまったようです。

譲渡や贈与・相続の申告の際にお客様から登記書類をお預りすることがありますが、お客様ご本人は登記書類を一度も目にされていないことは少なくありません。

所有されている土地・建物の名義に誤りがないか、改めてご確認されてみてはいかがでしょうか。