ローンをして賃貸建物を建てると相続税対策になるのはなぜ?【不動産・税金相談室】

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House, Money

Q ローンをして賃貸アパートやマンションを建てると、相続税対策になるという話をよく聞くのですが、それはどのような仕組みで相続税が安くなるのですか?

A 相続税対策というと、真っ先に賃貸物件を建てるといい、と言われるくらい、オーソドックスな方法ですよね。

たとえば、現金1億円あったとして、これで賃貸アパートを建てるとします。土地購入に5,000万円、アパート建築に5,000万円を使いアパート経営を始めました。

この場合の相続財産は、どのようになるでしょうか?

まず、土地ですが、土地は先頃発表になりました「路線価」をベースに評価します。この路線価は、公示価格の80%水準で決められていますので、少なくとも時価の80%以下になるでしょう。

したがって、5,000万円で買った土地の評価は、4,000万円位になります。さらに、この土地に建物を建てて貸した場合には、その土地は貸家建付地という扱いになります。

この貸家建付地の評価は、更地の約80%の評価になります。
(借地権割合によって多少変わってきますが、詳細は省きます)

したがって、路線価評価で4,000万円になった土地は、さらに貸家建付地に該当することにより、その80%、3,200万円になります。

5,000万円の現金が、貸家建付地になることにより、3,200万円となり、▲36%も評価減されるわけですね。

次に、建物ですが、これは固定資産税の評価額により評価します。
固定資産税評価額は、建物によりますが、建築費の50%程度で評価されることが多いようです。

したがって、5,000万円で建てた建物の固定資産税評価額は、2,500万円となります。さらにこれを賃貸することにより、30%の評価減があります。すなわち、2,500万円の70%、1,750万円の評価になるのですね。

5,000万円の現金が、貸家になることにより、1,750万円となり、何と▲65%も評価減されるのです。

以上により、1億円の現金は、貸家建付地3,200万円と、貸家1,750万円の合計4,950万円になり、何と半分になってしまうのです。

さらに、小規模宅地等の特例を使える場合は、さらに最高50%の評価減ができるのです。これは貸家建付地3,200万円が50%評価減できるということですので、1,600万円になります。

建物との合計では、4,950万円-1,600万円で、3,350万円になるということですね。1億円が3,350万円になってしまうのですね。

このように賃貸建物を建てる効果は、相当あると言えます。

なお、ご質問にローンをして、とありましたが、このようにローンをしないでも相続税対策になります。

ローンが有効なのは、土地があって現金がない場合や、現金があっても使えないような場合です。そのような場合は、ローンを活用することにより、上記のような相続税対策が可能になってきます。