事業用資産の買換え2【不動産・税金相談室】

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House, Money

Q 私は賃貸アパートを複数所有していますが、この度これらのアパートをすべて売却し、その売却代金で新たに賃貸マンションを経営していこうと思っています。

所得税では、事業用の財産を買換えた場合には、優遇措置があると聞きましたが、どのような優遇措置なのでしょうか?(5月31日号のつづき)

A 今回も、5月31日号に続きまして、事業用資産の買換えについてお話させていただきたいと思います。

5月31日号では、(ポイント1)として「9号買換えが使い勝手がいい」ということをお話しさせいただきましたので、今回はその続きからとなります。

それでは、早速本題に入っていきましょう。

(ポイント2)税金は免除されるわけではなく、先延ばしにするだけ
  
この制度の最大のポイントは、何といってもこの点と言っていいでしょう。
  
確かに、買換えた際は所得税を減額してもらえますが、それはあくまで一時的なものです。
その後、新築したマンションを売却する際には、その減額した分の税金は、そのまま上乗せして、課税されてしまうのです。
  
「それじゃあ、意味ないんじゃないか?」と考えられる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、決してそんなことはありません。

買換えの際、売却代金から税金をもっていかれずにすむため、その分のお金も、マンション建設の代金に充てることが出来る、というメリットがあります。
  
5月31日号をお読みいただけるとわかると思いますが、国側としては、税金を課税してしまって、買換え(企業の誘致など)の邪魔をしたくない、ということです。

(ポイント3)減額される金額は、どのぐらいなのか?

やはり、気になるのはこの点かと思います。
  
計算の仕方は、ちょっと複雑ですので、ここでは割愛させていただきますが、考え方としては、次の通り覚えておいてください。

アパートの売却代金を、すべて新しいマンションの建設に充てた場合は、通常と比べて20%しか課税されない。」

しかし

「売却代金が余ってしまった場合は、その余ってしまった分については、減額の対象にならない。」
 
  
この制度は、過疎地などへの企業誘致や土地の有効利用をしたい、という国の意向に沿って、税金を優遇しようとするものです。

したがって、新しい資産の取得に充てず、ポケットマネーにしてしまった分は、優遇しませんよ、ということですね。

まあ、当然と言えば当然ですね。

あくまで、先延ばしにしているにすぎないにせよ、20%しか課税されないというのは、”利用する価値あり”ではないでしょうか?

(ポイント4)買換え資産の取得期間について
  
この制度の対象は、”買換え”ですので、比較的短期間に売り、買いが行われることを想定しています。

例えば、「10年前に売却した土地のまだ代金が、まだ預金口座に残っているので、それを使って新しい土地を購入しました」では、買換えというには、あまりにも期間が長すぎます。

そこで、古い資産を売却してから、どのぐらいの間に新しい資産を購入すればよいかが、次の通り定められています。

売却した年の、「前年中」、「同年中」、「翌年中」 です。

例えば、平成25年中(日付は問いません)に古い資産を売却した場合は、
平成24年1月1日~平成26年12月31日の間に、新しい資産を取得すればいいということになります。

ここで注意点があります。

「前年中」と「翌年中」の場合は、資産の売却と取得が別の年になりますので、「先に取得したので翌年適用を受ける旨」、又は「後から取得するので、その取得予定日や、取得価額の見積もり」を税務署に知らせておかなければなりません。

具体的には、次の通りです。

「前年中」→ 取得した年の翌年3月15日までに、届出書を提出する。

「翌年中」→ 譲渡の確定申告書を提出するので、その申告書に上記事項等を記載した明細書を添付する。※この場合、見込額で申告を行います。

以上、2回にわたり、事業用資産の買換えについてご説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

ここでご紹介した以外にも、様々な細かい要件がございますので、実際に適用される際は、必ず専門家にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。