事業用資産の買換え1【不動産・税金相談室】

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Q 私は賃貸アパートを複数所有していますが、この度これらのアパートをすべて売却し、その売却代金で新たに賃貸マンションを購入しよう、と思っています。

所得税では、事業用の財産を買換えた場合には、優遇措置があると聞きましたが、どのような優遇措置なのでしょうか?

A あなたのおっしゃる通り、事業用の財産を買換えた場合には、所得税の計算をする際、優遇措置があります。

今回は、その優遇措置の概要をご説明してきたいと思います。

<ポイント1>使い勝手のいい「9号買換え」

この制度では、適用の対象となる資産があります。

通常、規定されている条文の番号を使って、1号買換え~10号買換えと呼んでいるのですが、その中でも群を抜いて使い勝手がいいのが、この「9号買換え」です。

9号買換えのご説明の前に、参考までに、他の買換えについてもどんなものがあるのかを、簡単にご紹介していきましょう。

簡単に言うと...

「都会から田舎への買換え」

「誘致区域(工業団地)外から誘致区域内への買換え」

「都会から都会への買換えで、土地の有効利用のための買換え」

「農業や防災にについての整備に関する法律に基づく買換え」

などがあります。

いずれも、国が「この場所で事業をして欲しい」と思っているところで事
業をしてくれるなら、税金を優遇してあげますよ、という趣旨であることが分かると思います。

実は、法人税にも同じような制度があるのですが、要するに国は、田舎や工業団地に、また、土地の有効利用のためなどに、特定の場所に企業を誘致したいということなのですね。

したがって、この誘致を税金で邪魔しないようにするために、このような制度を設けているのです。(税金を払ってしまうと、買換えのための資金が不足してしまいますからね。)

少し横道にそれてしまいましたが、上記のような9号以外の買換えについては、”場所が指定されている”という特徴があるのが、お分かりいただけたかと思います。

しかし、この9号買換えに関しては、場所の指定はありません。

「10年以上所有している資産であれば、日本国内どこに買換えてもいい」のです!

これは、かなり使い勝手がいい制度、と言えるでしょう!

しかし、平成24年以降は、少し不自由になってしまいました。

具体的には、

1.買換え資産が土地等である場合には、その土地の上に事業用の建物が建っていること。
※駐車場の敷地の場合には、事業用の建物が建っていないことについて、一定のやむを得ない理由があること。

2.面積が300m2以上であること。

という制限が、加わってしまったのです。

そうは言っても、事業用である以上、1についてはそんなに問題はないかと思います。(更地で事業というのも少ないでしょうから)

※ただし、駐車場用地は基本的には除外となりました。

2について、若干不自由になりましたが、それでも「10年以上保有していれば、日本国内どこでもいい」という点は変わりませんので、やはり使い勝手がいい制度であることには変わりありません。

<ポイント2>税金は免除されるのではなく、先延ばしにするだけ
   
…をご説明しようと思ったのですが、少し長くなってしまいましたので、

つづきは、次に私高橋が担当させていただく回、6月14日の号でお話しさせて頂きたいと思います。

今週も最後までお読みいただき、ありがとうございました。