代償分割により取得した不動産【不動産・税金相談室】

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計算

Q 父の相続発生時に、兄より代償分割で取得した不動産があります。
このたび、その不動産を売却することとなりましたが、取得価額と所有期間はどのように計算すれば良いのでしょうか。

A 代償分割により取得した財産については、その代償分割時の時価を「取得価額」として、また代償分割に取得した日より「所有期間」を算定することとなります。

通常の相続のように、被相続人の取得価額及び所有期間を引き継ぐことはできないのです。

なぜなら、先週のメールマガジンにおいて紹介したとおり、代償分割時に他の相続人(お兄様)はその代償財産を譲渡したものと考えるためです。

※ 代償分割時の譲渡所得税の取扱いについては先週号をご参考下さい。

これにより、ご質問者は代償財産を交付したお兄様より売買によって取得したこととなりますから、その時の時価が「取得価額」になりますし、代償分割時が「取得日」となるわけです。

留意すべきは、取得価額となる時価です。

この場合の時価は、相続税評価額ではなく第三者間で実際に取引される価額でなければなりません。

過去の代償分割において、その価額を曖昧にしてしまうと、将来その不動産を売却する際の取得価額が明らかでなくなってしまいますから、代償分割時には必ずその不動産の時価を両者で確認しておきましょう。

なお、譲渡所得の税率は所有期間によって異なります。

所有期間5年以下の場合には「短期譲渡所得」に該当するため、その税率は39%(所得税30%、住民税9%)であるのに対し、所有期間5年超の「長期譲渡所得」については20%(所得税15%、住民税5%)です。

代償財産をその後売却する場合には、所有期間の算定に誤りがあるケースが少なくありませんから、十分にご注意頂きたいです。