タワーマンション節税への課税強化?【不動産・税金相談室】

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相続

Q 先日のニュースで、タワーマンションを利用した節税に対して国税庁が注目していると耳にしました。
現在、相続税対策を検討しているところですが、タワーマンションの節税に対して、その問題点と今後の対応について教えてください。

A 先日、国税庁の記者会見においてタワーマンションを利用した「行き過ぎた節税に対して適切に課税していく」と触れたことで、新聞・テレビ等でもニュースとして取り上げられています。

そもそもこの節税対策は、1億円で購入したタワーマンションが、相続税の評価額では3千万円程度にまで目減りすることもあって、活用されているものです。

高層階の売買価額が高額となるのは、所有していることのプレミアム感やその景観等も加味されているからで、たとえ同じ材料で建てられていても、低層マンションよりも高額になりやすい傾向があるのです。

一方、相続等での財産評価の基となる固定資産税評価は、材料等をベースにしていますので、「タワーマンションの最上階は特別な価格」になるわけではありません。

また、都心の一等地にあっても、タワーマンションのように多くの戸数があれば、その土地の評価は戸数によって(それぞれの面積に応じて)按分されるため、一戸あたりの評価も抑えられます。

このような背景もあって、実際の売買価額と相続等での財産評価との乖離が大きいわけです。
国税庁の調査では、その乖離は3倍程になるようですので、その分節税の効果も大きく、「行き過ぎた節税は問題だ」といった判断に繋がっています。

ただし、現時点では新しい法律や通達が定められたということではなく、国税庁の表現を借りれば「課税の不公平が生じないよう、従来通り対応していく」といった内容です。

従来から、財産評価にあたっては次の取り扱いが定められています。

“著しく不適当と認められる財産の価額は,国税庁長官の指示を受けて評価する”

そのため、過去にも同様のケースで裁判所や不服審判所で争われ、否認を受けている事例もあります。
たとえば、相続発生前後の短期間の所有であって、明らかに節税のみを目的としているようなケースです。

現時点では、不適当か否かについて新たな「線引き」が定められているわけではないため不透明ではありますが、明らかに節税を目的としたものについては、否認を受ける可能性がより高まっていると言えるでしょう。

相続対策は、早めに十分時間を持って対応していただきたいものです。

《担当:樋口》

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