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2015/11/11(第203号)「タワーマンション節税が否認される場合」

━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2015/11/11(第203号) ━━
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□■ 【実践!相続税対策】-知っているといないでは大違い!
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□■  ”基本を正しく理解し、時間をかけて対策しよう!”
■□       http://www.tm-souzoku.jp/
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  皆様、おはようございます。
  資産税部の高橋貴輝です。

 先日(10月29日)に国税庁がタワーマンション節税について、
 「節税目的のタワーマンションについては、否認する可能性があ
 る※」旨の記者発表を行いました。
 
  ※かなり簡単に要約しています。

 さらに、全国税局についても同様の指示を出しているようです。

 とは言っても、過去にも、このような否認された裁判例や裁決事
 例もあり、今に始まった話ではありません。

 今年からの相続税の大増税に合わせて、再度注目されるようにな
 ったタワーマンション節税に対して、釘を刺したといったところ
 でしょう。

  ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいた
 します。

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□■ 
■□   タワーマンション節税が否認される場合
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●前書きにも書きましたが、今回はタワーマンション節税が否認さ
 れる場合について、解説していこうと思います。

  その前にまずは、タワーマンション節税の仕組みについてですが、
 詳しい内容は第181号に書いてありますので、ご参照ください。

 http://www.tm-tax.com/information/souzoku/souzoku181.html


●このタワーマンション節税が否認されてしまう場合とは、一言で
 いうと、「節税目的のみでタワーマンションを購入した場合」と
 いうことになります。

 では、その「節税目的のみ」というのはどのような場合なのでし
 ょうか?

 具体例を使って、ご説明していきたいと思います。実際にあった
 話で、東京国税不服審判所の裁決事例です。


●被相続人甲の相続人であるAは、相続税の節税目的で約3億円の
 タワーマンションを購入しましたが、これを相続税評価額にする
 と、わずか5,800万円と、2割以下の評価額となりました。

 購入の経緯等は、以下の通りです。

  ・ 被相続人甲は、もともと認知症であった
  ・ 被相続人甲は、癌が発見され、その2ヶ月後に亡くなった
  ・ 相続人Aは、癌の発見後わずか2ヶ月の間に、被相続人甲
    の定期預金を解約し、被相続人甲の名義でタワーマンショ
    ンを購入した
  ・ 被相相続人甲は、認知症であることから、相続人Aは委任
    状を偽装して売買契約を行った
  ・ 相続人Aは、購入からわずか4ヶ月後、このタワーマンシ
    ョンの売却を始め、その後、2億8,500万円で売却した
  ・ 相続人Aは、その4ヶ月の間、このタワーマンションを使
    用した事実は一切なく、たまに訪れ、窓を開けたり、水を
    流したりする程度だった


●つまり、相続開始直前に勝手に購入し、一切使用せず、すぐに売
 却したということですね。

 その結果、3億円の定期預金の相続税評価額がわずか5,800万円の
 相続税評価額となり、最終的に2億8,500万円が手元に残ったとい
 うことです。

 ここまで条件がそろえば、さすがにこのタワーマンションの購入
 は、「節税目的のみ」と言わざるを得ませんね。

 ということで、最終的にこのタワーマンションは相続税評価額の
 5,800万円ではなく、購入金額の3億円で評価されることとなり
 相続税が課税されてしまいました。


●しかしながら、大切なことは、あくまで「節税目的のみ」の場合
 に否認されるということですので、ちゃんとマンションとして使
 用していれば、否認される心配はありません。

 例えば、自宅として利用したり、投資目的で購入し賃貸に出した
 りなどすればいいわけですね。

 そうすれば、第181号でご説明したような節税効果は、今後も享受
 していくことができますので、ご安心ください。


●とは言っても、前書きに書いた通り、国税庁としては、タワーマ
 ンション節税について注視していく方針ですので、油断は禁物で
 す。

 また、平成8年まで、「相続開始前3年以内に購入した土地建物
 は購入金額で評価する」という評価方法がありましたが、この復
 活も含め、現在評価方法の見直しも検討されているようです。
 
(ただし、本格的な検討ではなく、あくまで当面は現行制度で対応
 する方針のようです。)
 
 この辺りも含め、今後タワーマンション節税の動向は注目してい
 く必要がありそうです。


●いずれにしても、タワーマンションに限らず、不動産を活用した
 相続税の節税については、「節税目的に偏らず」、投資のメリッ
 トやリスクをしっかり勘案した上で行っていくことが大切です。


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<編集後記>
 
 この裁決事例は、タワーマンション節税の否認事例として非常に
 有名なものですが、実は、偽造された委任状の効力や重加算税に
 ついての論点で非常にハイレベルで興味深い判断がされた事例で
 もあります。
 (今回の論点とは直接関係ありませんので、解説はまたの機会と
 させていただきます。)

 また、同じような事例として、東京地裁平成4年3月11日判決
 (平成2年(行ウ)第177号)もありますので、ご興味のある
 方はお調べいただくとよいかと思います。

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