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東京メトロポリタン税理士法人 メールマガジン「不動産 税金相談室」 バックナンバー

2015/07/03「預かり敷金の処理方法について」

Q 私は、長年賃貸経営に興味があり、まず手始めに中古マンションの1室を
 購入しました。すんなり賃借人も決まり、その際に敷金を10万円預かりました。
 この敷金は、「賃貸借契約終了時」に10%の償却を行うことが賃貸借契約書
 で定められています。

 この部分は、賃借人の方に返還をしない部分ですので、最終的に私の不動産所得
 ということになるかと思います。

 先日、この件も含め、確定申告の相談に税務署へ行ってきたのですが、その際に
 「この敷金の償却分は、今年の不動産所得の収入として申告してください。」
 と言われました。
 私としては、償却を行うのは「賃貸借契約終了時」であるため、その時点の
 収入として申告すべきだと思うのですが、なぜ、今年の収入としなければ
 ならないのでしょうか?


A ご質問者のように、不動産の賃貸借契約では、敷金という名目で預かった
 お金の一部を償却し、返還しないということがよく行われます。
 ※関西地方では、「敷引き」ともいいます。

 返還しないため、大家さんの収入となることは、ご質問者もご承知のとおり
 ですが、問題は「いつの収入とすべきか?」です。
 答えは、賃貸借契約により「返還しない事が確定した時点」での収入とする、
 ということになります。

 ということは、やはり、ご質問にもあるとおり、償却を行うのは「賃貸借契約
 終了時」であるため、「返還しないことが確定した時点」も「賃貸借契約
 終了時」となのではないか、と考えてしまいがちです。
 しかし、よくよく考えてみると、「賃貸借契約終了時」とあるのは、あくまで
 「償却を行うタイミング」であって、「償却をするかしないか」の話では
 ありません。

 「償却をする」ことさえ確定していれば、将来いずれかのタイミングで償却
 をされることは確実ですので、実際に償却という手続きを待つことなく、
 「返還しない事」は確定したと、いえます。

 では、その「償却をすることが確定した時点」とはいつなのか、ということ
 になります。それは「賃貸借契約」を交わしたことにより、償却は確定する
 ことになりますので、「契約締結時点」ということになります。
 したがって、その時点での収入として、申告することとなります。

 以上のとおり、敷金の償却分について、収入金額として申告するタイミングは、
 賃貸借契約締結がポイントということになります。
 ただし、契約内容によっては、「契約締結時点」では「敷金を返還しない
 ことが確定していない」ということもあります

 たとえば、賃貸借期間中に家賃の未払いが発生したり、大家さんに対する
 損害賠償などが発生した場合に、償却前の敷金を充当するというような契約
 であったとします。
 ※敷金は、賃貸借契約終了時に10%償却という前提は、同じものとします。

 この場合は、当然、賃貸借期間が終了するまで、償却部分の返還不要は確定
 しませんので、「契約終了時の収入」として申告することとなります。

 また、よくあるのが「賃貸借期間に応じて償却金額が変わる」という契約です。
 この場合は、「返還しないこと」は、契約締結時点で確定していますが、
 「それがいくらなのか?」は、契約期間が終了するまでわかりません。

 金額がわからなければ、「契約締結時点」では、計上しようがありませんので、
 このような場合も「契約終了時の収入」ということになります。

 いずれにしても、この敷金の償却部分の処理は、契約書をよく読み
 「いつ返還しないことが確定するのか?」を、判断することが重要になります。
 くれぐれも、慎重な処理をするようご注意ください。

                            《担当:高橋》







※本文で紹介させて頂いた内容は概略となります。
 詳細につきましては税務署または税理士等の専門家にご確認下さい。

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