2007/12/14「住民税と住宅ローン特別控除」 税源移譲による住民税の手続き
Q 住宅ローン特別控除については、制度改正によって今度から市区町村へ手
続きを行なう必要があると聞きましたが本当でしょうか。
A 税制改正に伴い、平成19年1月1日から所得税率が、平成19年6月徴収分から
は住民税率が変更されましたが、これによって住宅ローン特別控除額が減
額してしまった場合には、その減額分を住民税より控除できるものとされ
ております。
ただし、住民税から控除するためには市区町村(または税務署)に対して
『住宅借入金等特別税額控除申告書』(以下『控除申告書』)を提出しな
ければなりません。
そのため、これに該当する方については、ご質問にあるとおり市区町村へ
の手続きが必要となるのです。
そもそも所得税と住民税の税率変更は、国から地方へ税源を移譲すること
を目的に行なわれており、これによって多くの方は所得税が減少する一方
で住民税が増加するものとなっています。
(所得税と住民税の合計額は一定となるよう処置されております)
しかし、住宅ローン特別控除制度は、本来納めるべき「所得税」と、年末
ローン残高を基に計算した「控除額」とのいずれか小さい金額を「所得税
から控除」することができる制度であるため、もともと「住民税」は考慮
されておりません。
つまり、税率変更により所得税が減少してしまえば、一方的に住宅ローン
特別控除の金額が少なくなってしまうケースがあるのです。
そこで、住宅ローン特別控除の適用者に不利が生じないよう、控除申告書
により住民税から控除できるように処置されているわけです。
<対象者>
平成11年~平成18年の間に住宅ローン特別控除の適用を受けており、今
回の税率変更により住宅ローン特別控除額が減額してしまった方が対象
です。控除額に影響がない方は、税率変更による不利が生じていないわ
けですから対象となりません。
<対象の有無の判断>
会社員の方などの給与所得者であれば、会社で年末調整を行ない『源泉
徴収票』の交付を受けます。
この源泉徴収票の中段左側に「住宅借入金等特別控除可能額」という欄
がございますので、この欄に記載がある場合には控除申告書の対象とな
ります。
また、給与所得以外の所得がある場合や、自営業者など給与所得者以外
の方については、いったん税金計算をしてみなければ対象の有無を判断
できませんのでご留意下さい。
<手続き>
控除申告書を作成し、源泉徴収票を添付の上、お住まいの市区町村へ提
出する必要があります。
給与所得以外の所得がある方や自営業の方など、確定申告を行なう必要
がある場合には、確定申告書に控除申告書を添付して税務署へ提出する
こととなります。
控除申告書は、お住まいの市区町村で入手できますので、対象となる場
合には各市役所等へお問い合わせ下さい。
なお、提出期限は確定申告と同様に3月15日(平成20年については3月17
日)となるため、期限に遅れないよう早めにご対応下さい。
会社員の方など給与所得者については、そろそろ平成19年分の源泉徴収票
が交付される時期です。
住民税の手続きの対象であるか早速ご確認頂き、対象となる場合には是非
お手続き頂ければと存じます。
なお、控除申告書は、住民税から控除を受ける年毎に提出しなければなり
ません。来年以降も、必要に応じてお手続きが必要となりますので、お忘
れないようくれぐれもご留意下さい。
税理士 八木航一
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